モノづくりという単純で奥深いもの

モノづくりの仕事はとても面白いですよ。ビジネスの構造も、製造して販売すれば代金をいただけるシンプルなものです。不動産のように、購入した後に利回りや売り買いのタイミングを考えて利益を得る、といった複雑さはありません。非常にシンプルで分かりやすい仕事だと思います。しかし、シンプルだからと言って簡単ではありません。実はお客様のニーズを汲み取り、いかにそのニーズに応えるか、どれだけスピーディーに満足のいくクオリティーのモノを提供できるか、といったことが求められます。そのためには、各々のコミュニケーションスキルや、技術的な知識、能力などが必要です。こうした「モノづくりの技術力」は、個人差はありますが、努力すればするだけ着実に身につきます。努力が成果となって、きちんと本人に返ってくる。そこがモノづくりの魅力の一つであり、私がこの仕事に魅せられる所以なのかもしれません。

挑戦し続けたからこそ今がある

当社の企業理念は「独創と挑戦」。社員が20人ほどになった頃、コンサルティングの先生が仰った「貴社は独創と挑戦の会社ですね」という言葉が心に響き、それを企業理念としました。

正直、当初はこの言葉を踏襲している会社であるという自覚は全くありませんでしたが、20年ほどを経てから、ようやく実感してきました。というのも、アドバンスという会社はニーズがあって、それを満たすために少しずつ大きくなってきた会社だったからです。

私たちはこれまで、石橋を叩きながら着実に枠を広げてきました。会社も人もそれぞれ自分にできる範囲の「枠」のようなものがあると思うのですが、その枠に納まっているだけでは成長はできません。何より、枠の中で安住することは挑戦ではありません。私は立場上、大きな失敗はできないので、修復のきく範囲内で少しずつ枠の壁を壊してきました。不安とリスクの中、それを乗り越えると少し枠が大きくなる。その繰り返しです。これを続けることで、「ああ、我々は“独創と挑戦”の言葉通り、自分の考えに基づいた挑戦を繰り返し続けてきたのだな」と実感することができたのです。

チームワークに大切なのは「謙虚さ」

アドバンスの仕事はチームワークが必要不可欠です。誰かが、勝手に振る舞えば、上手くいくはずのことが上手くいかなくなることもあるでしょう。そのため、私はとにかく「謙虚」であることを大切に考えています。謙虚な人とは「自信がない人」ではなく、「自分のことをよく知っている人」です。

私の経験上の話ですが、いかなる時も謙虚であり続けることで、周りから快く色々なことを教えてもらったり、良い人間関係を築いたりすることができました。それは自身の成長につながるだけでなく、いざというときに味方になってくれる人を増やす手段にもなります。一人一人が謙虚さを忘れず、相手を敬いながら仕事ができれば、良い結果として必ず自分に返ってきます。何より気持ちの良い職場になりますよね。役職が付くなどして立場が変わったときこそ、驕らずに一層謙虚でいてほしいと願います。

変化をいとわず時代に対応し続ける、柔軟な会社づくり

日本の様々な技術は今、転換期を迎えています。例えば、70年間開発が続いていたレシプロエンジン（ピストンエンジン）が終わろうとしていますね。レシプロエンジンから電気、モーターに変わり、今後一体何が主流になっていくのか見えない時代です。この先、技術はどうなっていくのかと良く考えます。ドローンのようなものも出てきているので、空飛ぶ車といったものに変わってしまうかもしれません。

モノづくりにおいて、私たちは様々な変化に柔軟な対応ができる会社であり続けたい。時代のニーズに常に敏感であり、そのニーズに対してスピーディーに対応できる会社作りをしていきたいですね。

大人として働くことを楽しんでもらいたい 〜これから社会に出る皆さんへ〜

学生の間は入学から卒業までみんな一緒に過ごすため、卒業時の個々の能力にあまり大差はつきません。例えるなら、同じものを積み重ねた足し算の世界ですよね。ところが社会人になると、それは掛け算や割り算の世界になります。日々の中で遭遇するさまざまな出来事との相乗効果で、人間は成長していきます。その時の気持ちの持ち方や行動次第で、個人の成長は何倍にもなるのです。同じ学校を卒業しても10年後には大きな差が出てくる。そういうところが大変ではありますが、社会のおもしろいところでもあると思います。社会にはたくさんのチャンスが転がっています。そして自分の価値が決まるのも、社会に出てからです。大いなる希望を持って、楽しい人生をおくってください。

モノづくりに楽しく取り組める、意欲的なみなさんと出会えることを楽しみにしています。